鳥インフルエンザと防護服

愛知県豊橋市で飼育されているウズラが,鳥インフルエンザに感染していることがわかった。新聞報道などで記憶しているもので,3か所の飼育場で感染が確認されている。H7型で,高病原性弱毒性のタイプらしい。

感染が確認された飼育場の鳥は,すべて処分されるという。テレビの報道でも,防護服を着た多くの人たちが,作業をしているようすが放映されている。その防護服の物々しさが,理屈を抜きに恐怖感を煽る。

あの人たちが,あのような物々しい防護服を着ているのはなぜか。あの映像を見たら,人に感染しないためだとふつうは思うだろう。でも,本当は違うらしい。人が着ている防護服は,ウイルスを外部に持ち出さないようにするのが本来の目的のようだ。

あの状態の鳥インフルエンザが人に感染することはまずないという。また,防護服の人たちの関心事は,人への感染ではなく,鳥への感染のようだ。他の飼育場の鳥へと感染が広まれば,人の食料への影響,産業への影響ははかりしれない。

そのため,発生地を隔離し,感染の疑いがある鳥を処分する。また,近隣地に感染が広がっていないかを監視し,ウイルスを封じ込める。ウイルスは,感染した生物の中でしか殖えることができないので,このようにすることで,ウイルスを撃退できる。

でも,どうしてテレビや新聞などの報道で,このような解説がなされないのだろうか。危機感を煽るようなことで,人の目を引くような方法は,もうそろそろやめにしてはどうかと思う。