父の家を売却

2004年8月に父が入院して以来,ずっと誰も住んでいなかった父の家。兄弟3人の誰も住むものもいないため,いつかは処分しようと思っていながら,そのままになっていた。

ガラスが割られて空き巣に入られたことも。盗むものがないため,被害はなかったが,なかなか物騒だ。その後は,何重にも施錠していた。庭木は伸び放題。隣の人が,見かねて切ってくれていたようだ。

家は築30年で,見た目が悪くはないのだが,あちこち悪くなってきている。しばらく前に,屋根などを修理したのだが,その業者があまりよくなかった。父が一人暮らしだったので,半ばだまされたようなものだった。鬼瓦が外れて倒れかかっていたのをわたしが直した。雨樋がはずれかかっていたのを,兄が針金で止めた。

こんな世話をし続けることはもうできない。そのように思って,近所の不動産業者に相談して売ることに。でも,この不景気で,販売価格は思ったよりもかなり安い。兄と妹は,何も言わなかったが,わたしは納得ができず,いろいろと調べてみた。

そもそも購入する相手は,その不等産会社の重役。仲介の不動産会社は中立とは思えない。そして,その重役の家は,父の家の裏隣。あまり価格をつり上げることも言いにくかったが,不動産会社の担当の人と電話で2,3回話をして,値段を上げてもらった。

まだまだ納得できる価格ではなかったが,この不景気では,なかなか買い手がつかないのも事実。更地にして,しばらく放置することも考えたが,そのように先送りにしていると,ますます悩みも深まるのではないか。

そんなことで1か月ほど悩んだ末に売約を決意した。最初の提示から2段階,価格をアップさせることができたが,土地の値段というものは,なかなかわからないものとつくづく感じた。ほんとうはもっと高く売れるのではないかとも思ったが,そんなことを悩み続けることもいやになった。

そして,売買契約が昨日あった。すでにわれわれ兄弟3人へは,3日前に代金が振り込まれているので,書類に署名捺印をするのみ。これで終わり。父が苦労して購入し,大切にしてきた家も,これで他人のもの。