木の葉のように見えるガ,枝のように見える幼虫,花のように見えるカマキリなど,驚くほど巧妙に相手をだます姿をした生き物がいる。このように,他のものや生き物に似ていて,それによって隠れたり,攻撃されにくくなっていることを擬態という。
擬態の説明として,「無生物や他の生物に似せて相手をだます」という表現を目にする。これには違和感を感じる。これらの生物は,相手をだまそうとして,そのように姿を変えてきたわけではない。たまたまそのような姿になり,それが生存に有利になった。そして,そのようなものがより多くの子孫を残してきただけである。
結果的にはだましているように見えるが,謀ってやっているわけではない。つまり,彼らは確信犯ではない。