グルコース

ブドウ糖の粒をもらった。化学物質の名称としては,いまはグルコースが正式。

グルコースは,わたしたちのエネルギー源だ。グルコースを分解して,エネルギーを得ている。グルコースにまで分解する手間がないので,グルコースの摂取は,効率のよいエネルギー補給になる。
口に含むとあっと言う間に溶けてしまった。何となくなつかしいイメージ。もらった知人が言う通り,落雁(らくがん)のようだ。ただ,わたしの子どものころに食べた落雁は,こんなにも甘く,しかもさっぱりしたものではなかった。

最近,仕事や勉強の疲れにと,このようなグルコースの粒が売っている。脳にとって,グルコースによるエネルギー補給は重要だ。ただ,そのとき,どれだけ血糖量が下がっているのだろうか。
血液中に含まれるグルコース濃度を血糖量という。エネルギーが不足すれば,各組織の働きに影響が出る。そのため,血糖量の調節は重要だ。
血糖量が下がると,肝臓に蓄えられているグリコーゲンをグルコースに変えて,血糖量を調節する。さらに不足すれば,脂肪などから分解して,グルコースを得る。
逆に,食後など,急激に血糖量が増加するとき,得たグルコースは,肝臓でグリコーゲンに変えられて保存される。このときに働くホルモンがインスリンだ。以前はドイツ語発音からインシュリンといわれていたが,いまはインスリンとよぶのが一般的。
インスリンの直接の働きは,血糖を細胞で使えるようにすることらしい。インスリンが働かなくなると,細胞にグルコールをうまく取り込めなくなる。そのため,血糖値が下がらなくなるのだという。ということは,高血糖になるだけでなく,エネルギー源として,グルコースをうまく活用できないことにもなる。

話があちこちにとんでしまった。ただ,グルコースが不足しているとは思えないので,安易にグルコースを補給するのがよいのかどうか,少し疑問に思う。この点について,また考えてみたい。さらに,高血糖になる病気である糖尿病や,それにともなう合併症の起こるしくみなどについても,まとめてみたい。
話題がまたそれるが,2年ほど前,父がまだ入院していたとき,となりのベッドに寝たきりの青年がいた。知能にも障害があるようだった。その原因が,ペットボトル症候群によるものだと,彼の母親から聞いた。ペットボトル症候群について,調べてみたいと思っていたが,そのままだった。グルコースの粒から,また思い出した。