デンプンにはアミロースとアミロペクチンがある。アミロースはグルコースが直鎖型につながった構造をもつ。アミロペクチンもグルコースがつながってできているが,ところどころに枝分かれした構造をもつ。ふつうのご飯であるうるち米は,アミロースが2割,アミロペクチンが8割程度含まれている。もち米はほとんどがアミロペクチンからできている。
ヨウ素デンプン反応は,デンプンの検出反応として有名だ。デンプンが含まれるもの,たとえばご飯とかパンとかに,ヨウ素液をかけると,紫色に変化するというものだ。
このヨウ素デンプン反応は,デンプンの種類によって呈色が少し異なる。アミロースは青っぽい色,アミロペクチンは赤っぽい色を示すという。
さて,上新粉はうるち米の粉,白玉粉はもち米の粉である。
これらを使えば,ヨウ素デンプン反応の呈色の違いを確かめられないか。そこで実験をしてみた。
実験と言いながら,実はまったく適当。それぞれの粉を適当にとって湯をかけ溶かす。ヨウ素液は家にないので,うがい薬であるイソジンを使う。
ここで問題が発生。アミロペクチンは水に溶けにくい。湯を入れて激しく振っても,ほとんど溶けたようには見えない。しかたがないので上澄み液を使う。
イソジンを適当に薄めたものを,適当にたらす。結果は次の通り。
右側が上新粉,つまりアミロースとアミロペクチンが混じったもの。紫色を示した。左側は白玉粉,つまりほとんどアミロペクチン。色が薄くて微妙だが,わずかに赤っぽい色をしているように見える。
アミロペクチンは溶けにくいため色が薄い。でも,赤っぽい色を示すことはわかりそうだ。もう少し,はっきり呈色する量を調べると,家庭でもできるおもしろい実験になるかも。
【余談】ずっと前,バナナにイソジンをかけて,デンプンの存在を確認しようとしたことがある。でも,なかなか色が出なかった。そのときはソバを食べたあとで,まだテーブルに残っていたソバをのせた容器にイソジンをたらしたら,かなりはっきりとヨウ素デンプン反応が出た。
ソバはデンプンが主成分なのか,それともわが家で食べたソバが安物で,ソバ粉にデンプンが相当量混じっていたのか。これもいつか試してみたい。