最古の岩石などに触れる

 科学教育についての集まりに参加した。蒲郡の生命の海科学館が会場だったので,少し早めに出かけて科学館も見学。ほとんど人がいない。

 シアターでの催しは貸し切り状態。「代表の方にキャプテンをつとめていただき...」と解説員。でも,そこにはわたししかいない。46歳の中年男が,娘とまではいかないまでも,若い女性解説員の指導のもと,小学生高学年程度のバーチャルアドベンチャーに。最後に,アノマロカリスのイラストが描いてあるプラスチックのカードを記念に受け取る。お互いに気まずい。終わって出口に向かうと,もう一人の女性が足下に気をつけてと声をかけてくれる。わたし一人に,二人もついていてくれたのだ。
 展示物から考えて,もっとまともな映像が楽しめると思ったのに...。
 展示物はすばらしい。地球46億年の歴史の中でも,特に古い時代のものが充実している。多くの展示物は,触れることもできる。約40億年前の岩石に触れて感動するのはわたしくらいだろうか。
 解説は,端末を使ってデジタル化された映像などを呼び出すシステムに。その解説の監修者にはサイモン・コンウェイ・モリスの名もあった。これらの解説が,ネット上に公開され,自分のコンピュータからも参照することができたらすばらしい。
 ここにも解説員がいて,ときどき声をかけてくる。申し訳ないが,わたしには多少の知識があり,展示物の意味やその背景など,少しは理解しているつもりだ。じっくり自分のペースで見学したい。実物の感触を楽しみ,密かにほほえんでも見たい。ずっと付き添われたらどうしようかと思ったが,要所要所で近づいてくる程度でホッとした。でも,うまいタイミングでやってくるということは,わたしの行動を絶えず監視していた訳か。ちょっとはずかしくなる。
 科学教育の集まりでは,久しぶりにお会いする方々も多かった。それぞれにすばらしい実践をし,活躍している人たちだ。話を聞くだけで楽しくてためになる。熱心に科学教育について議論する人たちがいることに安堵する。また,この集まりには,この科学館の学芸員の方も参加。展示物のすばらしさだけでなく,しっかりした専門の学芸員がいることを知ったのも収穫。