石垣島産のカサノリ。カサノリは単細胞の緑藻類。
何と,単細胞だ。細胞核は柄の部分の先,岩などにくっつく部分である仮根のあたりにある。種類によってかさの形などが異なる。
種類の異なるカサノリを,柄の部分で切って接ぎ木して,どちらの種のかさが再生されるか,という実験が,高校生物で出てくる。結局は,かさの形は核が決めていることが,この実験は示した。
生物学の発展では,実験生物に何を選ぶかが重要であったりもする。いま思いつくものでも,遺伝学では,メンデルのエンドウ,モーガンのショウジョウバエ。マウスからショウジョウバエ,大腸菌,ファージというように,どんどん世代の短いものに移っていった。ビードルとテータムは,アカパンカビで遺伝子とタンパク質の関係を明らかにした。発生学では,シュペーマンのころのイモリ,それからアフリカツメガエルといった両生類がよく出てくる。初期のころは,胚が大きく,飼育がしやすいものが選ばれたのだろう。