とんでもないことに

午前中は部屋の片付けをする。同時に,iBookの再インストールを。MacOS9をインストールしてアップデート。同じパーティションにMacOSXv10.3Pantherを入れる。その後,さまざまなアップデート。新しい家になってから,家のLANは無線にしたが,iBookにはアダプタを買ってない。無線LANのアクセスポイントがスイッチングハブにもなっているので,そこにケーブルをつないでさまざまなアップデートを行った。

午後から女房と病院へ。途中,会社の分室に寄って,会社のカギを渡す。会社を開ける必要があると,昨日上司からメールが。今朝は携帯に電話が。10時過ぎに気付いたので電話して,分室でカギを渡すことに。

分室を通ったため,交通量の多い道を走ることになり,やや時間がかかった。車のガソリンが切れかかって,警告ランプがついていたので,燃料も入れる。

病院には1時半頃つく。外科の医師からの説明は午後4時頃になるという。とりあえず,父親に会ってから,外来薬局前で座って居眠り。3時半すぎに病室に戻り,約束通り,4時に外科の医師の説明を受ける。やはり手術が必要と。ただ,もう少し調べないといけないのと,腹の張りをなくしてからの手術なので,2週間後くらいになるという。また,神経内科で入院したが,外科に担当を変えて,腸の治療に専念することになる。

病室に戻り,しばらくすると,神経内科の担当医からの説明がある。進行性核上性麻痺の疑いで,この病気は,前頭葉と脳幹の萎縮が起こるらしい。いまのところ,前頭葉の萎縮ははっきり現れているが,脳幹の萎縮は認められないと言う。腸の治療してからでないと,その影響もあるため,最終的な診断はできない。また,治療も飲み薬になるので,腸が快復してからでないとはじめられない。やはり,腸の治療が先決のようだ。

これで当面の方針は決まった。さっそく午後6時頃に外科の医師が病室に来た。内視鏡検査のときに,肛門から腸にチューブを入れた。そのチューブを使って,腸内を洗浄する。これを繰り返して,腸圧を下げるらしい。父親は嫌がり,いろいろ騒いでいるが,なだめながら1時間ほど洗浄する。少しは腹部がへこんだような気がする。

洗浄が終わるまで待っていたら,7時すぎてしまった。父親に声をかけ,病院を出る。子どもたちには,何か買って食べるように伝え,わたしたちは途中で弁当を買う。8時に家についてウイスキーの水割りを飲みながら弁当を食べる。食後は,この休みにやらなくてはならないことを,もう一度整理しようと自分の部屋へ。机に向かってぼんやりしていたら,妹から電話。父親の状態が急変し,緊急手術になるという。午後9時である。

酒を飲んでいたので,1時間ほど休み,10時に再び家を出る。カーナビの指示通り,名古屋高速を使って行くと10時30分には病院に。妹からの留守電で,すでに手術が始まっていることを知り,中央手術室へ。妹がひとり,家族待合い室にいた。

父親は,肛門から入れたチューブを,自分で引き抜いたという。そのチューブは,抜けないように,中に風船状のものがついているらしい。それを無理矢理引き抜いたため,腸が裂けて腹膜炎を起こしたのだ。本人もかなり苦しんでいたらしい。このまま放置すれば,危険な状態ということで,緊急手術になった。

高齢で体力も低下しているので,手術は2時間が限度との判断。患部を切除して,つなぎ合わせる余裕はなく,人工肛門をつけることに。実は,できるだけ人工肛門を避ける方向で,治療を考えていた。痴呆があるので,人工肛門は扱いにくい。また,幸い運動能力の低下も緩やかだと思われるので,できることなら人工肛門でない方がよいと。しかし,それどころではなくなった。

午前2時少し前,手術が終わり,術後の処置に入った。そこで医師から,切除した大腸を使いながらの説明が。病巣付近が裂けていたが,まずはそこを縫合してから,病巣全体を切除したため,裂けた部分は糸でつなげてあった。病巣が最初小さくも感じたのは,腸が切り開いてあるからで,板状になった腸を巻いて筒にすれば,通過の妨げになるものであることは想像できる。

手術が無事終わりICUに入った。医師や看護師にまかせるしかない。急変することがあれば連絡をもらうことにし,妹もわたしもひとまず帰宅する。午前3時に病院を出る。道路はすいていて,高速を使わなくても約30分で自宅に着く。なんだか落ち着かないが,風呂に入って床につく。