何をどうしたらよいものか

あまり眠っていないためぼんやりしているが,朝の面会時間に間に合うように家を出る。11時少し前にICU待合室に。電灯の消されて暗い部屋に兄と妹が。暗いと気分まで沈むので,スイッチを探して勝手に灯りをつける。しばらく待ってICUへ。
ICUの面会は,午前11時から12時までと,午後6時30分から7時までの2回。ICU入り口のインターフォンで名前を言い,許可を得てから入る。履き物を履き替え,最初のドアに。ドアはすべて足で操作して開ける。ドアの前後の壁に,足が入るくらいの穴があり,そこに足を入れるとドアが開閉する。最初のドアを通り,荷物をロッカーに入れる。そこで手をアルコールのスプレーで消毒して次のドアへ。そこを通るとICU
ICUの中は想像以上に広く,片側にベッドが10床ほどで,その反対側にはさまざまな装置やテーブルといすなどがある。さらにその奥にベッドが2つ。もっとも設備が整っているところのようだ。そこに父がいる。
麻酔が覚めてきたのか,わずかに目を開けてこちらを見る。わかっているのだろうか。声をかけたためか,足を曲げてたてようとする。看護師が制止しているが動かすのをやめない。おそらくわれわれのことがわかり,起きようとしているのだろう。自分がいまどのような状況か,よく理解していないのだろう。また,からだを動かして,点滴をはずす危険があり,手をしばられている。
長方形の形の紙おむつや,歯磨き用品,ひげそりなどが必要と。また,きのうまでいた病室を片づける必要がある。わたしは紙おむつを売店で買って病室へ向かう。兄と妹は先に病室へ。兄と妹は近道をするつもりが迷い,わたしの方が先に病室に着く。スーパーにあるキャスター付の大きなかごを借り,その中に荷物をまとめる。そのかごさら,この病棟と預かってくれるという。
それらの済ませて,もう一度ICUに。言われたものを看護師に渡す。いままで使っていたパンツ型の紙おむつも念のためと言われ,再び病棟へ。1時ごろに医師からの説明があるというので,それまで待ってもう一度ICUに。
人工呼吸器がつけられており,話をすることはできない。また,動くと危険なので,鎮静剤で意識を抑えるようにするという。予断は許さないが回復に向かっている。人工呼吸器は,早くて月曜にはずすことができるかどうか。
回復して一般の病室に入った場合,付き添いなどがどれほど必要か,今後のことが気になる。妹も9月になると仕事がはじまる。それらの点をソーシャルワーカーに相談に。先日会った人は盆休みで不在。代わりに別の人が応対してくれた。病院は完全看護を前提にしているので付き添いは原則不要。ただ,付き添いをどうするかは家族の考えによる。病棟の看護師長に相談して,家族がどこまでできるかをきちんと打ち合わせするのがよいと。できないことははっきり言う方がよい。話がうまくいかないときには,いつでも相談にと。
また,完全看護であるため,付添人の斡旋はしていない。以前は,付添人の紹介などもしていたので,そのような事務所の連絡先を教えることだけはできる。ただ,付添人をつけるかどうかは,家族の考え方次第。つけなくてはならないと言うことはないと。
ひとまず安心する。2時ごろに病院を出る。兄と妹は父親の家に行き,犬の散歩など雑用をしてから,夕方の面会にも来るという。わたしは夕方の面会はパスする。