母が転倒で骨折し入院(3)

21:45
そんなことを考えて待っていても,いっこうに動きがない。しかたがないので,看護師に確認すると,予約はできているが,まだ順番待ちと。

21:55
家に電話をするため,わたしがはずしていた間に,CTとレントゲン撮影のため,救急治療室を出て行った。母が転倒して4時間,病院に来てから3時間半が過ぎている。

22:10
母は救急治療室に戻って来たが,そのまままた待たされる。

22:25
別の医師がやってきた。うれしいことに中堅クラスの整形外科医だ。看護師も一人やってきて,医師の指示で点滴と採血。母のようすを目視するだけで,すぐに入院の手配を看護師に依頼。それから,撮影してあったCTとレントゲンを見ようとした。でも,何があったのか,再撮影の手配。でも,こんどは待たされずにすぐに母は撮影に出かけた。

22:50
撮影も無事終えて戻ってきたところで,入院の書類を渡されて,外で待つように言われた。待っている間に,書類を一部を記入するようにとのこと。女房と二人で待合室に向かって歩いているとき,看護師がやってきて,一般病棟に空きがないので,個室になるがよいかと。その方がよいと思ったので了解。新しい医師が来てから一気に進む。待合室のいすに座って書類をながめる。

23:35
救急治療室に来るように呼ばれる。さっきとは別の整形外科医が二人。母は少し落ち着いたようす。手首にも包帯が巻いてあり,固定もされているようだ。一人の医師が説明をはじめる。端末にレントゲン画像が映し出されている。右の橈骨(とうこつ)の手首付近が折れており,缶を押しつぶしたかのように短くなっていた。

複雑骨折であり,プレートとボルトで骨折箇所を固定する手術が必要と。緊急手術が入らなければ,翌日の午後には手術を行い,その次の日には退院。1週間後に抜糸,すぐに動かすことも可能なので,自分で動かすリハビリをと。

鼻については,骨にひびが入っているが大したことはない。耳鼻科が診ないとわからないが,おそらくそのままにしていればよいと。手首は腫れがひどく,あまり腫れると手術にも支障がある。高く上げていると腫れにくいのでと,手をつるすことに。

交通事故らしいけが人が複数いたようだったので,おそらく整形外科医がそちらに忙しかったのだろう。それが一段落して,やっと母のところにも,専門医がきてくれたのだと思った。

0:45
やっと病室にたどり着いた。転倒してから7時間,病院に来てから6時間以上たった。母はまだ興奮気味で血圧も高い。病棟の看護師の問診が始まるが母の話は長い。問診が終わり,口をすすいでから,ゆっくりとお茶を飲む。母もホッとしたようす。あすからのことなど相談してから,女房と病院をあとにする。

1:30ごろ
救命救急の受付まで戻った。午後6時半頃にここに来たときには,通常の外来診察時間かと思うくらい多くの人がいた。でも,この時間になると,受付にも待合室にも,ほとんど人はいなかった。この時間になると,事故によるけがも少ないのだろう。でも,病気の人もいないのはふしぎだ。救命救急医療の現実を,また一つ知ったような気がした。

2:00ごろ
女房とともに母の家に戻る。買ってあったサンドイッチで遅い夕食。あす病院に持っていくものをまとめるため,女房は母の家に残り,わたしだけ家に戻って,とりあえず風呂に入る。

3:00ごろ
女房を迎えに車で母の家に。足を骨折している女房と,手首を骨折した母の着替えなどを車にのせて家に戻る。わたしはすぐに眠るが,女房はなかなか寝付けなかったようだ。