公開講演会「蛍光タンパク質の発見と生命科学研究への応用」(動植物に共通するアロ認証機構の解明)に出かけた。GFPの発見で2008年にノーベル化学賞を受賞した下村脩先生が特別講演。下村先生のお話が生で聞けるというチャンス。しかも地元名古屋でのこと。ミーハーな私は逃すわけにはいかない。
名古屋大学理学部南館とは聞いたことがなかった。坂田平田ホールとはすごい名だ。そう言えば,8月に名古屋大学理学部に行ったとき,見慣れない建物があったが,それだった。
出かけるのが遅れたため,会場についたのがはじまる10分前。会場に入ってすぐに下村先生の登場。おおー,本物だ。
副総長,理学研究科科長の挨拶のあと,下村先生が登壇。そして,まずは大撮影会。
ブレブレの写真だが,雰囲気を写したものがこれしかなかった。まあ,人の顔が判別できないのでちょうどよかったかもしれない。手前できちんと座っておられる方が下村先生の奥様。
講演中の撮影を控えてもらう代わりに,講演前に撮影タイムということらしい。私はGR Digitalしか持っていかなかったため,どうしても遠くなってしまう。しかも会場が暗いためぶれる。
このカットが一番まともに写っていたもの。トリミングしてある。
講演は,事前に用意した原稿を読み上げるのが中心だった。でも,その内容は,ところどころにジョークもあり,会場の笑いもあった。スライドを指し示すときだけが,原稿を読むのではなく,自然なしゃべり口だった。
いままでに本などで知っていた内容もあった。また,語ると言うよりは原稿を読んでいる感じだった。でも,ご本人の口から聞くのはやはり違う。研究に対する思いなどが伝わる。「あきらめずに努力する。努力すれば何とかなる」という言葉は,下村先生の本心であり,若い研究者に対する励ましであるとも思えた。
最後に,基礎研究の大切さをうったえていた。「判っていないことを判ろうとし,新たな知識を生み出す努力」が基礎研究と。未知に対する探究,実験結果と自分の思考に忠実で,その他のことには惑わされない強い意志が感じられた。
見よう見まね,そして本から学んだという。教えない方がよいとも。学びは,教えられるものではなく,自ら行うべきことという考えは,私も同感だ。いや,下村先生と思いが同じだと言ったところで,比較にはならないが。
その後,GFPの研究への応用に関する講演が3つあった。下村ご夫妻も最前列で聞かれていた。私には興味深い内容であったが,「サバにマグロを産ませる」という話を,下村先生はどのようにご覧になっていたのだろうか。