酸素マスクの効果

肺炎などで肺機能が低下したとき,酸素マスクをつけて呼吸を楽にすることがある。酸素濃度が高くなれば,それだけ酸素の吸収がよくなる。肺の機能が低下していても,からだに必要な酸素補給が可能になる。

しかし,これは酸素だけを見た場合のこと。二酸化炭素の排出を考えると,単純でないことがわかる。外部の酸素濃度が高くなると,肺での二酸化炭素の交換が低下し,体内の二酸化炭素がうまく排出できなくなる。肺でのガス交換を調節する場合,酸素の吸収と二酸化炭素の排出をともに配慮しなくてはならない。

肺機能が低下した場合,酸素濃度を上げればよいわけではない。血中の酸素と二酸化炭素のバランスをとり,適切な酸素濃度を決める必要がある。ただ,それがうまくいくとは限らない。二酸化炭素の排出を重視すれば酸素が不足することもある。

義父が肺炎になったときに医師の説明を受けて,このことにはじめて気づいた。重要なことなので,もっと一般に説明するとよいことだと思った。