昨日の天声人語が気になる。昆虫を捕まえようとすると,それはよくないことだと思う人がいる。一方で,子どもが昆虫を捕まえることは,よい経験だと考える人がいる。子どもが捕まえたくらいで,昆虫が絶滅するものではないとも。
わたしは子どものころ,虫やカエルなどで遊んだ。こちらにとっては遊びなのだが,虫やカエルにとっては命がけ。子どもはかなり残酷だ。チョウの羽をむしって,クモの巣に投げ込む。エノコログサの先を使って,カエルを勢いよく釣り上げて上空に飛ばす。いま考えると残酷な方法で,虫やカエルなどで遊んだ。
その程度では,チョウもカエルも絶滅するとは思えないほど,当時は,広い場所に生き物が生息していた。でも,いまはどうなのだろうか。子どもが生き物とともに遊ぶ環境は,もうかなり少なくなっているのではないか。
子どもが捕まえたくらいで,絶滅するものではないとわたしも思う。ただ,なかなか見ることのない生き物の風景にであったとき,その貴重なものを大切に思う気持ちも,これからは無視できないと思う。