ガードンが研究していた頃,山中につながる展開が予想されていただろうか。しかし,ガードンの研究がなかったら,山中の研究も生まれない。ガードンの頃の研究は,社会にどのように役立つのかはわからなかった。
山中の研究は,いまは役立つものと世の中で騒いでいるが,最初のころは注目されていなかった。そんなときに,岸本のような目利きがいて,山中の研究に予算がついた。
近視眼的になっているいまの世の中では,すぐに役立ちそうなものばかりに飛びつく。多くの基礎研究の中に,将来の芽が含まれていることを忘れてはならない。