白リン弾

イスラエル白リン弾を使ったと言われている。平和ボケのわたしは,兵器に疎く,今回はじめて白リン弾というものがあることを知った。

学校では黄リンと習う。リンの単体の1つで,ふつうは淡い黄色をしているのでそのように言う。リンの同素体をあげよ,という問題は高校化学の基本である。赤リンと黄リンだ。同素体とは,同じ元素でできた単体。単体とは,1種類の元素でできた物質。

黄リンは発火しやすく,ふつうは水中で保存する。また,猛毒である。赤リンも燃えやすいが黄リンほどではない。また,毒性もない。そのためマッチに利用されている。そう,箱の外にあるこする部分は赤リンである。

新聞などでは,黄リンのことを,不純物が混じった白リンのように記述している。でも,ふつうは黄リンと白リンは同じものをさし,そのような区別はしないように思う。

そのようなことが問題なのではなかった。白リン弾と聞き,わたしはすぐに黄リンの毒性が使われるのかと思った。でも,毒性ではなく,すぐに燃えることが利用されているようだ。

黄リンがあちこちに飛び散り,からだにもついて燃え上がる。人々がひどい火傷を負うことになる。白リン弾の使用に対して,非人道的であるとの指摘の一方で,禁止された兵器ではないという反論もある。非人道的でない兵器が存在するとは私には思えない。また,禁止兵器でなければ何なのか。

平和ボケのわたしには,まったく理解できない議論である。攻撃することそのものが非人道的な行為であり,ただちに戦闘を中止すること以外に,言うべきことは見つけられない。