浮世絵版画

浮世絵には肉筆浮世絵もあるが,ふつうは多色刷りの木版画が多い。では,その木版画はどのようにしてつくるのか。

大まかな過程は次の通り。

1.絵師(えし)が版下絵(はんしたえ)を描く。
・墨1色の線画を描く。

2.彫師(ほりし)が主版(おもはん)を彫る。
・版下絵を木版に貼り,版下絵の上から版を彫る。

3.摺師(すりし)が校合摺(きょうごうずり)を摺る。
・校合摺は墨1色の線画。

4.絵師が,校合摺に色分けや模様などを指定する。
・校合摺に朱で色分けを指定したり,細かな模様などを描き足す。

5.彫師が,色分けなどの指定をもとに色版を彫る。
・何枚もの木版を使って,色版を作成する。

6.摺師(すりし)が,各版を重ねて摺って,多色刷りの木版画を完成させる。
・試し摺を絵師が確認後に,ある程度の枚数を摺る。

版下とか主版とか,アナログ時代の製版そのものだ。