映画「さよならテレビ」を見た

今日は一人で映画「さよならテレビ」を見た。

休日だが6時半頃起床。平日のように,ひげを剃りながら朝刊を見て,それから女房といっしょに朝食。8時少し前に,バイトに行く女房を車で地下鉄の駅に送り,戻ってから着替えて8時半頃に家を出た。今池にある名古屋シネマテークという映画館で午前10時からの上映。少し話題になっているし,映画館も小さなところなので,確実に見られるように,少し早めに到着できるようにした。

9時10分くらいに映画館に到着。まだ受付も開いていなかったが,閉じた入口に「床線の後にお並びください」とあった。そちらを見ると,すでに5人が並んでいたので,その後に立って待った。前にいた一人がどこかに行ってしまい,後に二人並んだ。

9時25分くらいに開いた。運転免許証を見せてシニア料金をPayPayで支払う。PayPayの支払いで5%還元があるとウェブで知っていたのでそうした。9時55分くらいだったか,予告編に続いて映画がはじまった。

この映画は,ずっと見たいと思っていたドキュメンタリー。もとは,地元の東海テレビがつくったテレビ番組だった。私は見逃してしまった。それほど視聴率も高くなかったらしいが,放送業界などの人たちが話題にしていた。その番組を再編集して,少し長くし映画にしたもの。取材先は自分たち自身であるドキュメンタリー。そしてタイトルに「さよなら」とある。ちょっと自虐的なのも気になる。

テレビの先行きが危うい。若者のテレビ離れは急激で,テレビを見るのは年寄りばかりとも言われている。ネットの勢いにやられてしまったのか。私はそれだけとは思わない。テレビの問題もある。このドキュメンタリーもおそらく,そのような視点をもっているのだろう。自分たち自身を見つめ直し,テレビの再出発をはかる。

自社の報道局を中心に,内部の実態を撮影する。その中の三人--自信をもって発言できないことを悩みながらMCを勤める正社員,ジャーナリズムの理想を追いかけるが,現実の仕事は「ぜひネタ」中心である契約社員,あまりに頼りなく不安にさせる若手の派遣社員--の行動や発言をもとに,その周辺を写し出す。監督がインタビューをするので,ときどき監督自身の声も入るし,すがたも出る。その監督の飄々とした言葉や行動も印象的だ。

東海テレビ自身の過去の大きな過ちをも扱うなど,その内容は意欲的であり,正直,よくここまでやったと思う。ただ,写し出される実体は,視聴率の重視,働き方改革の推進という渦の中での番組づくり。話題になるのは視聴率の順位。仕事の改革もなく上から押しつけられる残業制限や,契約社員派遣社員が正社員の肩代わりする状況は,多くの企業と変わらないのだろう。見学に来る小学生に語っている「報道の使命」が薄っぺらく響く。

監督は語らないが,あの三人を中心に,そこにいる人たちの語りの中に,監督の思いがあるのだろう。でも,このままではほんとうにさようならになりそうなテレビ。視聴者の求めるものばかりを追いかけていると,いつか視聴者は消えてしまう。視聴者に新たな発見を提供するような,視聴者が追いかけたくなるような番組は,どうやってできるのか。

何だかテレビに限らないような気がしてきた。

12時少し前に終わり,映画館を出た。今池の歩道にはこんなプレートがあった。

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帰り道,途中下車して台湾料理の店に。そこで,台湾ラーメンとミニニンニク炒飯のセットの昼食。ボリュームがありちょっと食べ過ぎた。

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また地下鉄に乗り,さらにバスに乗り換えて午後1時過ぎに帰宅。息子が自分で炒飯とインスタントラーメンをつくって食べるところだった。同じようなものを食べたくなったようだ。