東日本大震災から2年

あれから2年がたった。阪神淡路大震災のとき,これほどの衝撃的な天災は,私が生きている間にはないだろうと,何の根拠もなく,勝手に思い込んでいた。そして2年前の今日,またも圧倒的な自然の力と無情さを見せつけられた。

津波の理屈はわかっている。でも,それが自分の生涯という短い期間に,巨大地震とともに起こり,あれだけの被害を引き起こすとは。過去には何度も経験しているのだろうが,自分の時代にあるとはなかなか考えられず,その日は突然やってきた。

さらに,原子力発電所をも襲った。あとになってわかったことだが,備えはけっして十分とは言えなかった。そしてメルトダウン原発に慣らされてしまっていた私には,日本でメルトダウンが起きるなんて,思いも寄らないことだった。何の根拠もないのに。

身近な人を亡くし,家や持ち物を失い,ただでさえ悲しくつらい状況であるのに,震災被害の復興ははかどらず,いまなおきびしい環境にいる方々が少なくない。そのようなようすをテレビで見ると,目がかすみ,いてもたってもいられない気分になる。

その一方で,復興予算が転用されたり,原発を動かそうとする人たちがいる。目先のこと,身近な利益のために,安易な行動をとってしまうことが可能なまでも,震災は過去のことになってしまったのだろうか。

とりあえずこの節目の日に,わずかながら義援金の支払い手続きをした。震災,原発について,いろいろと思うことがあるが,いまだに支離滅裂。あの日より前,自分自身の中に固定しつつあった思いはくずれ,その後もきちんと整理がついていない。