老人の通院(病院でのできごと)

まずは眼科でのできごと。順番を待っていると,一人の老人がやって来て,受付で診察を依頼。でも,昨日診察したばかりで,本当は来週の火曜日が次の診察予定だったようだ。本人は,今日だと思って来てしまっているらしい。受付の人がていねいに説明し,その老人は帰って行った。

別の老人が,おそらく息子と思われる人に連れられてやってきた。診察が終わったら連絡をと言い残して,息子は帰っていった。その後,保険証を受け取り忘れた受付の人は,老人に持っていないかと声をかけた。すると老人は椅子から立ち上がり,受付まで歩こうとする。でもなかなか大変そう。

そこに,隣のスペースで視力検査をしていた検査技師(看護師?)が,ちょうど次の人を呼びに来たのか,その場にやってきた。そして,そのまま老人のところに行って,保険証を受け取って受付に渡した後,次の人とともに隣のスペースへ。わずかな距離とは言え,あの老人に歩かせようとするのには無理があった。それを察知して行動する人がいてよかった。

次は内科でのできごと。こちらでも老人が受付でやりとりをしている。この近所には老人が多いので,老人が通院することは特別なことではなく,眼科も内科も,老人の割合は高い。

ところがこの老人は,診察に来たわけではない。昨日の診察のお礼を医師に言いたくてやって来たとのこと。受付の人は「先生は診察中です」と説明しているが,診察の合間でよいから挨拶をと粘る老人。

何人もの患者が,医師の診察を受けるために待っていた。お礼のために時間をとってくれと言われても,かなり迷惑な話だ。でも,その老人はそのような事情は理解していなかったようす。いろいろやりとりしたあと,老人は丁寧に頭を下げて帰って行ったが,病院側も困っていたようだ。

こんな老人の姿を見ながら,いつか自分もそのようなことをやってしまうのだろうと思った。そのように思うと,一見迷惑な行動に対しても寛大になれる。歳をとってきたからこそ感じられる思いなのかもしれないが。