私が学校に通っていた頃,このガラス器具をシャーレとよんだ。いまでも,多くの人が,これをシャーレとよぶのではないか。
でも,現在では,おそらくほとんどの教科書で,このガラス器具のことをペトリ皿と書いていると思う。そのことに疑問を感じて調べてみた。なお,以下は,ネットでちょこちょこっと調べた受け売りである。
このガラス器具は,英語でPetri dish,ドイツ語でPetrischaleという。Petri(Julius Richard Petri,1852-1921)はドイツの細菌学者で,この器具を発明したらしい。ドイツ語の辞書はずっと以前に処分してしまったので,schaleの意味がいまひとつわからないが,平たい容器をさすのではないかと思う。これは勝手な想像だが,語源はshellと同じなのかもしれない。
ペトリさんの平たい容器,ペトリシャーレPetrischaleが,日本ではシャーレとよばれるようになったと思われる。英語ではdishなので,日本の研究者の中には,ディッシュという人もいると思う。
プラスチック製のものをシャーレとよんでいたと言う人もいた。JIS規格にプラスチック製滅菌シャーレ(JIS K 0950:1988)というものがある。このJIS規格からなのだろう。なお,1988年の段階では,JIS規格を決めるにあたってもシャーレだったようだ。
では,なぜいまペトリ皿とよぶようになっているのか。これがよくわからない。何か別のものと間違えると言った,問題点があるなら理解できるのだが。きちんとした訳がわかっている方がすっきりする。わかる人がいたらぜひ教えていただきたい。