文字組のデザイン −フォント選び−

フォントは年契約で自由に使えるのがふつうになってきた。そのため,DTPマシンには,相当数のフォントがインストールされることも多い。

本文や図文字,タイトルまわりや囲みなど,ある本のデザインをつくってもらった。カンプで確認しながら,何度も修正を行い完成した。最後には正確な色で確認するためDDCPもあげた。

デザインは「見た目」の確認が中心になり,DTPの詳細(制作方法やフォントの種類など)は,制作サイドにまかせたい。今回は,制作とデザインを同じところに依頼しているので,あまり気にしていなかった。

ところが,選んだフォントを確認して驚いた。たとえば,本文がモリサワの新ゴProなのに,タイトルが新ゴPr6だったりする。なぜあえてタイトルでPr6を選んでいるのか理解できない。さらに,「コラム」のような仮名文字にPr6Nが使われていた。

本文がProで組めるなら,タイトルもPr6はいらないだろう。仮名文字だけなのにN付のフォントを選ぶ必要があるのだろうか。

まあ,見た目は確認したわけだし,仕上がりには影響はない。文句を言ったところで,何が違うのと言われそうだ。でも,私にはこう言う不合理な点が気になる。無駄のない合理的なつくりが,制作時に誤解もなく,どこに持っていっても扱いやすいデータになると思うのだが。