老人性頑固症

きょうは午前と午後に2つの会議があった。中堅が中心になって,部署間で共同して情報交換をし,今後の商品開発や販売戦略を提案するところまでできればと考えている。いままで先頭に立って仕事をしてきた人たちは,50代,60代になっている。その人たちが会社を引っぱっている状態ではいけない。次世代へのバトンタッチも大切な仕事。ついつい口や手を出してしまうことが多いが,次の人たち自身が切り開いていく機会を奪ってはいけない。

わたしはそんな思いでいる。ところが,会議に参加して話を聞いていると,それでいいのかとイライラする。あとで会議の議長と話をしようといろいろとメモをする。メモしていると,イライラはいっそう高まってくる。そして,最後には声をあげてしまった。イライラがおさまらないまま次の会議へ。もう少しつっこんだ議論,テンポの速い議論ができないものか。ついつい思ってしまう。こちらでも,どうしてもというときには声を出してしまった。

でも,自分たちのときはどうだったのかと冷静に考えてみると,自分のイライラはただ短気なだけではと思えてくる。会議のあとで,別の案件を問われたときには,きょう1日のイライラが出てしまっただけで,きちんとした説明ができたのか。すべてが終わってから,何だか非常に恥ずかしい思いと,深い反省の気持ちでいっぱいになった。

自分を省みず,自分の考えが正しいものだと疑わない。これは危険な兆候だ。人の話をまともに聞かず,古い経験に基づいた考えから抜けきれない。そんな頑固な老人に自分がなってきていることを感じた。このように感じたのは,この日だけではない。年々,そのように思うことが多くなってきている。まだ自覚があるうちに補正しなくては。

でも,黙っていればよいわけではない。きちんと思っていることを伝えながら,後輩たちの考えをしっかり聞く耳を持つ。新しい状況を知り,新しい動きを理解できるやわらかい頭を持つことに努めたい。加齢のために頭が固くなっているので,かなり意識していないとダメだ。これができないと感じたなら,もう口や手を出すのをやめるべきだろう。