計算尺

中学生のころ,計算尺に凝ったことがある。兄が工業高校で,計算尺をもっていた。それをいじって楽しんだ。わたしは,中学1,2年では科学部だったが,中学3年のとき写真部ができ,写真部を第1希望にした。第2希望が科学部,第3希望が計算尺部。そうしたら,計算尺部になってしまった。

写真部に入れなかったこと,科学部にも残れなかったことがショックで,そのためか計算尺があまり好きでなくなってしまった。

ワトソンとクリックが二重らせんの模型を前にした写真がある。この写真の中で,クリックが模型を指し示している棒状のもの。それが計算尺であることを知った。それは,計算尺への興味がなくなってから30年以上たってからだった。さらに,日本の生物学者である岡崎令治の机の上を再現にも計算尺を発見。計算尺への興味が再び燃え上がった。

兄のもっていた大きな計算尺は,わたしがもらっていたと思うが,いつどのようにしたのか,もう手元にはない。クリックがもっていたような小型の計算尺が欲しい。不思議な物欲がわき起こる。

でも,もう計算尺は手に入らないようだ。安価な関数電卓が手軽に買える時代なので当然だろう。インターネットで調べてみたが,棒状の販売しているところはなかった。いま買うことができる計算尺は円形のもの。東急ハンズで買うことができる。とりあえずこれを買ってあきらめることに。

その円形の計算尺はこれ。

ところで,生物学者計算尺というのも非常に興味深い。生物学の大きな変化が,この時代にあったわけだ。このことについては,また別の機会にまとめてみたい。