解き方の定石を覚えさせる

最近の高校では,数学や理科で,解き方の定石を覚えさせる教え方をしていることが多いらしい。じっくりと時間をかけて理解させている余裕はないのだろう。とにかく問題を解いて,答えを出すことが大切。定期テストや大学入試で,ある程度の成績をおさめるためには,この方法は効率がよいと思う。

高校の実力・実績とは。有名大学に何名合格させたか,というのが,いわゆる進学校の実績になっているようだ。教育の中身ではなく,求められる結果を出すことが大切。生徒やその家族に対するサービスを提供する場が学校と考えれば,当然そのような企業的発想は生まれる。

企業が自由に競争することで,悪いものが淘汰され,よいものが残る。よいサービスが提供されるようになり,すばらしい社会がやってくる。でも,世の中はそんな単純ではない。

激しい競争の果てに,必死になって,ついには法をおかしたり,法の網をくぐる。そんな企業を見れていれば,そのような甘い考えは消え失せてしまう。

おもにペーパーによる学力だけの価値観で,教育を考えてよいものだろうか。ものごとを,このように単純に考えて乗り切ろうとすれば,きっといつか,そのしっぺ返しがやってくるのではと,このところ不安になってくる。

じゃあおまえはどうなのか。そう,わたしはただのグズです,といって逃げるのみ。ごめんなさい。