NHKの会長が替わってから，番組が少しずつ変化しているという話を聞いた。もしそれが事実だとしたら，とんでもないことだ。
ジャーナリズムは，組織の上層部の機嫌を伺いながら行うことではない。ふつうの人には知り得ない事実をえぐり出し，権力者の無謀を暴いて阻止する。その行為を見張るのは，ふつうの人々であり，また同業のジャーナリストであろう。決して，組織の一部の人が検閲するものではない。
考えてみれば，ジャーナリストだけではない。ふつうの企業に働く人であっても，上司の機嫌を伺っているだけでは，きっとその上司からも見放されるだろう。真剣に考えて，思うところをきちんと告げるものでなければ信頼も得られないはずだ。また，一歩間違えば，企業ぐるみの不正につながる。
何も言わせないワンマンは，その組織を破滅に導くことになるだろう。
