がんはなぜ生じるか―原因と発生のメカニズムを探る (ブルーバックス)
- 作者: 永田親義
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/12/21
- メディア: 新書
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原因については,確かな発がん物質から,それに準ずるもの,かかわるものまで,一つずつ丁寧に解説していく。また,アスベストについては,特別に1章もうけている。アスベスト対応の問題点にも触れている。
発生のしくみについては,体細胞の突然変異によるものと思っていたら,さらにさまざまな原因説があることをはじめて知った。読んでしばらくたってしまったため,ほとんどを忘れてしまったが,がんの研究は一筋縄ではいかないことを感じた。
著者が言う山登りのたとえのように,さまざまなルートで,ふもとから登ってきているが,7合目くらいから先が雲に隠れ,ときどきわずかに見える程度というのが,現在の研究の実態なのかもしれない。
それらの情報がしっかりつまった本と言える。情報の確かさについては,いまひとつわからない点もあるが,資料をあげながらのていねいな解説には好感がもてる。
なお,がん研究は,まだまだ途上とはいえ,いろいろな成果はあげてきてると思う。得てきた情報で,実際に行動できることも多くある。危険を避けたり,治療に生かしたりすための情報は,研究が進んだことで非常に多くなっているのではないか。