いままで自分が経験して獲得したことをどうやって後輩に伝えるか。いままでも悩んだが,これがなかなか難しい。結局は,自分自身で経験するしかないのではないか。あきらめのような思いも生まれる。
昨年,組版ソフトを少し操作してみた。合成フォントや詰め情報など,かなり細かく指定ができる。いままで自分でよいと思う組版を,これらのソフトの設定として残すことも,自分が獲得したノウハウを伝える1つの方法ではないかと思うようになった。
その設定はなかなか大変だ。ぼんやりと思っていたことを,きちんと記録したり,数値化しなくてはならない。曖昧にしていたことを整理する機会にはなるが,そのためにかける労力は半端ではない。
苦労はあるがソフトの設定として残せば,詳細は知らなくてもすぐに活用することができ,非常に便利になる。ただ,実現はできるがブラックボックスになってしまう。ノウハウを伝えたことにはならず,応用・発展させることも難しくなるかも。
そんなことを考えていると,なかなか先に進めなくなる。設定そのものが大変な仕事だからなのか,やってもむなしい仕事なのだからなのか。ますますわからなくなってきた。