「「悩み」の正体」

「悩み」の正体 (岩波新書)

「悩み」の正体 (岩波新書)

香山リカの考え方には,共感するものが多く,本が出ると気になってながめる。また,精神科医としての記述も興味深いものがある。
しかし,最近少し飽きてきた。少し軽いようにも感じられ,物足りなく思う。この本は,その流れの典型のようだ。確かに読みやすい。これが岩波新書かという誌面でもある。
対象とする読者が違うと思えばいいだろう。若い人たちがもっと読むべきかもしれない。だから軽く仕上げている,と思えば納得もできる。
「どくとるマンボウ」が岩波新書になったときには驚いたが,いまやそんなものではない。岩波アクティブ新書がなくなったのでしかたがないことではあるが。