
- 作者: 吉岡友治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/08/18
- メディア: 新書
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健康な人の腎臓2個で,腎臓病の二人を救う。命の数を考えれば,この方が得だ。しかし,それは認められない。命というものは,そのような抽象的なものではなく,その人にとってはかけがえのないものだから。
民主主義の中でナチスが生まれた。大衆の圧倒的な支持を得て,民主的にナチスが台頭した。生命の尊厳や所有権などは,不可侵な権利として,まず据えるべきもので,これらは「立憲主義」からきている。ナチスは民主主義の手法で立憲主義を無視した。民主主義と立憲主義をきちんと分けて考えることが必要だという。
この本でも,少年犯罪の増加を否定している。データの見せ方によって,そのような誤解が生じる。
主観はあいまいで他人とは共有できない。あいつとは考え方が違うので,議論ができない。そんなことはおかしいと著者は主張する。主観を確認しあうのもコミュニケーション。しっかり議論して共有することが大切。考え方を出し合うことで真理の探求を共有できる。「人それぞれ」という言葉は,このような共有を否定する。
何だか中途半端だが,ここから書けなくなった。入試問題などを具体例にしながら,論理的に展開する内容はきらいではない。ただ,急いで読んだためか,これ以上の記憶がない。そのためここで終わり。