クマムシとゼニゴケ

きょうは土曜だが出張。7時25分ののぞみで東京へ。このところ帰りが10時過ぎ。金曜日も遅かったので,6時20分ごろ家を出るのはつらかった。10時に新宿で人と会った。それから上尾まで。
上尾ではクマムシを観察する。クマムシは乾燥した“樽”とよばれる状態で,乾燥状態を乗り切るという不思議な能力をもっている。長時間乾燥させたのち,適度な湿り気により,もとのからだに戻るとは驚きだ。それも種子のようなものではなく,動物の成体がである。“樽”では,電子レンジで処理しても大丈夫という。乾燥したこの状態は,果たして生きているといえるのだろうか。

やや乾燥したコケの中に観察できるらしい。まずはコケの採取。コケを探していたら,ゼニゴケを見つけた。雄株と雌株がきれいに見える。まずはその観察。

雌株のクローズアップ

採取したコケは,ゼニゴケではなくちがいもの。これを1時間水に浸す。“樽”状態のものを復活させるためらしい。その間は何もすることがない。部屋の中にベンケイソウがあったので撮影した。わが家のコダカラベンケイソウとは種類が違うようだ。

水に浸したコケをとり出して,残った水を実体顕微鏡で観察する。センチュウはよく見つかるが,クマムシはなかなかいない。
やっと1匹見つけ,それをピペットで吸い取り時計皿に入れて,もう一度じっくり観察する。

結構元気に動いている。なかなかかわいい動きだ。ずっとながめていたら急にクシャッと潰れてしまった。顕微鏡のライトの熱で,時計皿に入れた水が乾燥し,急激に水がなくなり高温にさらされたためだ。これでは“樽”になることもできず,あっけなく死んでしまった。かわいそうなことをした。また,“樽”にする実験ができなくなってしまった。
その後も探したが,この1匹以外には発見できず。いっしょにやっていた人のクマムシは,コーヒーをつくっている間に“樽”になっていた。そこに水をたらし,しばらくすると動き始めた。結構短時間で“樽”と“ふつうの状態”を行き来するようだ。
午後7時半過ぎにそこを出て帰路に。名古屋に着いたのは午後11時ごろで,12時前に家に戻った。このところの疲れで,電車の中ではよく眠っていた。