10時半ごろ家を出て,父親の病院へ。妹が来ていた。二人でいろいろと話をしていると,あまり反応を示さなかった父が,少しはっきりした顔つきをする。話しかけるだけでなく,まわりで話をしていることも効果がありそうだ。
きょうは,父が飼っていた犬をどうするかを決めなくてはならない。9月になると,新学期で妹も仕事がはじまる。いままでのように,犬の面倒までは見ることができない。
父がひとりで暮らすことができたのも,この犬のおかげだろう。父が元気になり,またこの犬に会えたら喜ぶのも確かだろう。でも,いまの父のようすから,おそらく自宅には戻ることはできないだろう。結局は,この犬と暮らすことはもうないと思う。
もともとのように,検査入院の間くらいのことだったら,わが家であずかるのも抵抗しない。先が見えていることだったら,それほど無理なことでもない。しかし,父の家に戻らないとしたら,この犬を最後まで,父に代わって飼うことになる。動物など飼ったこともないわが家には,このことだってかなりの負担だ。
その上,犬のために,まわりのものが時間をとられるのは何だか納得できない。犬の面倒を見る時間があったら,少しでも父に会いに行く方がよいのではないか。わが家だって,皆がそれぞれに忙しくしている。その中で時間をつくって,少しでも父のところに出かけたいと思っている。そこに犬の世話が入ってきたわけだ。
確かに,どうしようもない。犬を引き取ることができるのはわが家しかない。ただ,このようなことを妹たちが理解していてくれないと,どうしても納得できない。そのようなことを主張はした。主張はしても,やはりわが家で引き取るしかない。
この犬は家の中で暮らしていた。わが家ではそれは無理だ。外につなぐことになる。自分の家から離れ,さらに突然外につながれる。トラブルがあってはいけないので,とりあえず,これから1週間は父の家で外につなぐことにした。その間は,妹や兄が世話をする。
そのために,犬小屋を飼って準備をした。そのようなことをいろいろして,帰宅したのは夕方。この週末ももう終わり。持ち帰った仕事はまったく手につかない。仕事もはかどらず,いらだつばかり。