蟹三昧

 北海道の親類から蟹が届いた。大きなタラバガニだ。胴の部分だけで20cm近くある。あしも大きく,2本食べると蟹で腹がふくれるくらいだ。
 そんな蟹を家族4人で,腹一杯食べた。何という幸せ。感動だ。北海道のI一家に感謝。
 ところで,蟹の味を知っていればこそ,あのようなグロテスクな生き物を食べようと思うのだろう。じっとながめると,映画「エイリアン」を思い出す。何となく気味が悪い。

 そのように感じる一方で,「おいしそう」とも思っている自分に気づく。蟹の味の記憶が,不気味な形態のことを追い払う。やはり食欲の方がまさる。
 甲羅をはがし,えらを手でむしり取る。包丁で胴体を縦に切る。その後,あしを付け根から切り取る。胴の部分も,足のついていた部分を縦に裂くように切り刻む。手についたみを,そのまま食べる。食物連鎖の高次消費者は,身を危険にさらすことなく,大きな獲物を解体する。
 生き物を食べているという実感も味わうことができた。