子どもに甘い父親

 私には部屋がある。この日記もその部屋にある机で書いている。でも,その部屋はリビングの隣で,そこの戸はいつも開いたまま。私の部屋と言うよりは,リビングの片隅にスペースがあると言った方が適切だ。
 私は家にいることが少ない。毎日,帰宅するのは10時過ぎ。土曜や祝日も出勤することが多い。だから,家ではきっと珍しい存在なのだろう。私がいると,子どもたちは,私の部屋を通ってリビングに行き来する。それはそれでうれしいことである。
 しかし,この日記を書いているときなど,何かに集中したいときには,気が散って困る。特に,うまく進んでいないときには,ついつい怒ってしまう。自分の部屋には勝手に入るなという子どもが,なぜ私の部屋にはふらふらとやってくるのか。そう考えると腹立たしい。
 高校生の娘や,中学生の息子が,父親に近づいてくる。なんと幸せなことだろう。それを怒って追い返す。なんとわがままな父親だろう。そのようにも思うのだが,何か複雑な思いである。