長野旅行(開田高原と駒ヶ根)2日目

夜中に激しい雨の音。朝起きると,わずかに雨が降っていた。天気予報通りではあるが何だか残念。朝風呂に入ってひげを剃り,さっぱりしたところで朝食。温泉旅館らしい朝食だが,それぞれが少しずつだったので,ご飯をおかわりせずにおかずをほぼすべて食べた。昨夜に続けて満腹。

ホテルのフロントにあるパンフレット類を集めて,今日の予定を立てた。昨夜飲んだマルスウイスキーで,工場見学ができるらしい。まずはそこに行き,次は駒ヶ根シルクミュージアムとその近辺。さらに光前寺,おもしろカッパ館。天気や時間の都合もあり,駒ヶ根の西や東を言ったり来たりになってしまったが,予定通りまわることができた。

わずかに霧のような雨が降ることもあったが,予報に反して雨はほとんどなく,青空が見えることもあった。では,今日撮った写真を。

マルスウイスキーの工場はホテルから近かったが,道がなくてぐるっと回って到着。受付で見学の旨を伝える。車を運転している私は,ドライバーの印を首からぶら下げ,ウイスキーの試飲はできない。

まずは貯蔵庫。小さなウイスキーメーカーだから,見学用だからか。以外と小さな印象。



続いて蒸留施設。

まずは糖化室。

次は発酵室。

最後に蒸留室。

案内図を1枚渡されて,自分で勝手に見学する。工場内も狭く,実際に使われているものなのか? ちょっと拍子抜けだった。

最後に試飲コーナー。

水薬を入れる容器のような,小さなプラスチックカップで,いくつかのウイスキーが無料で試飲できるようだ。ウイスキーによっては有料になっていた。ドライバーである私は,その小さなカップでグレープジュースをいただいた。

ここで発見が1つあった。マルスウイスキーの創業者の一人である岩井喜一郎は,日本のウイスキーをつくった竹鶴政孝と関係があった。ウイスキー売店にあった古い新聞記事の記憶と,マルスウイスキーのパンフレットから,そのことを簡単にまとめると次の通り。

岩井は,摂津酒精醸造所(のちの摂津酒造,現在の宝酒造)で連続蒸留装置を開発して,焼酎や合成酒の大量生産に貢献した。重役になったのち,ウイスキーをつくろうと計画し,岩井を追って摂津酒造に入社した竹鶴政孝を,イギリスに留学させた。その後,摂津酒造はウイスキー製造をあきらめ,竹鶴は鳥居商店(のちの寿屋,現在のサントリー)に移り,さらに日本果実(のちのニッカ)をつくった。

竹鶴がイギリスに留学して得たウイスキーづくりをまとめた「竹鶴ノート」の複製を岩井は手に入れていた。岩井はのちに,母校である大阪工高(のちの大阪大学工学部)で講義も行い,その教え子に本庄酒造の息子がいた。どのような経緯かはわからないが,岩井の娘と本庄酒造の息子が結婚。岩井は摂津酒造を退職後,本庄酒造の顧問となって,ウイルキー部門をまかされた。

1960年,山梨にウイスキー工場がつくられたが,1966年に岩井は亡くなった。その後の状況は不明だが,1985年に長野に工場を移転した。1992年,ウイスキー市場が低迷し,蒸留を休止。貯蔵庫に眠る原酒を使った商品のみに。ウイスキーブームがやってきて,2011年にウイスキー蒸留を再開。2013年には,「マルスモルテージ3プラス25 28年」がワールド・ウイスキー・アワード(WWA)で世界最高賞を受賞したらしい。

土産に次の2本を買ったが,これらはネットでも買えることがあとでわかった。

なお,これがマルスウイスキーのパンフレット。

次に,駒ヶ根シルクミュージアムに移動。中央自動車道飯田線,さらに天竜川を越えて到着。方角はわかるのだが,伊那バイパスを越えるあたりの道が複雑で,カーナビがなければ行きづらかったかも。

まずはミュージアムを見学。

それからレストランを12時半で予約。本当は時間指定はないのかもしれないが,店の人がそのころは空いてくるのでと受け付けてくれた。その間は体験工房で,子どもたちに混じって,まゆを使った工作をした。

私は簡単なもろこし君。


女房はコマクサ。こちらはちょっと手間がかかる。私も少しだけ手伝った。






最後に蒸留室。

持ち帰るときに壊れるといけないので,200円のケースも購入した。

予約した時間には少し早かったが,レストランに行ってみると,待っている人もなく,出てくる人の方が目立った。予約してあった名前が消してあり,どうしたことかと思ったが,係の人に声をかけたら,すでに席をとってくれていたらしい。でも,もっとよい席が空いていて,そちらを案内された。

雲がなければすばらしいながめなのだろう。

食事はバイキング。好きなものはたくさん食べたいが,そうすると種類が食べられない。どうもバイキングは苦手だ。

このシルクミュージアムの近くに,駒ヶ根市街地から中央アルプスまでが展望できる場所があるとパンフレットにあった。ふるさとあゆみ館というところ。売店の人に聞いてみたが,最初はよくわからなかったようす。その後,陶芸などをやるところだ,とわかったらしく,行き方を説明してくれた。

カーナビでも電話番号で検索したら出てきたが,その道案内よりも,売店の人の説明で簡単にたどり着けた。

そこからの展望は次の通り。雲がなければすばらしいながめなのだろう。















中央自動車道などを越えた反対側にはなるが,天気がよいので光前寺に行くことにした。車で走っていくと,だんだん暗くなり,わずかに雨が降り出してきた。光前寺到着後も,わずかに雨が降っていたが,傘も不要なくらいで,すぐにやんだ。その後,ときどき陽がさすくらいに回復。

光前寺はコケがあちこちにある。最初に庭園と宝物の拝観を。これには所定の御奉納(一人500円以上)が必要。撮影可能な範囲で写真を撮った。




最後に,お茶をいただいた。

庭園をあとにした。

コケやシダがたくさん生えている。


























トリミングなどの処理をした写真は次の通り。

ヒカリゴケらしい。ヒカリゴケは発光しているのではなく,光を反射して光っているらしい。

一部だけがもう紅葉している。

花の名は知らないが,きれいだったので,表からも裏からも。


追記:レンゲショウマのようだ。

最後に,コケの拡大。

写真を撮りながら,あちこちを歩きまわってから,土産店で息子のために菓子を買った。

子供だましのところだろうけど,と思いながらも,おもしろカッパ館に向かう。また,中央自動車道などを横切って,駒ヶ根市の東側へ。館の前が駐車場。そこでまず写真を撮った。

受付で入館料を支払うと,まずはビデオを見てくださいと。この地のカッパ伝説を,地元の小学生たちが紙芝居にしたらしい。それをビデオにしてある。カッパがつくり方を教えてくれたという痛風薬「加減湯」の話。

それから展示を見る。中はこんな感じ。

かっぱ神社が近くにあるらしい。館の人に行き方を聞いたが,かなり細い道を行くみたい。とにかく向かってみよう。田んぼの中の細い道を入り,民家のある細い道の上って道に迷った。畑仕事をしていた方に聞くと,ていねいに教えてくれた。そして,とうとうかっぱ神社に到着。







まわりはこんな景色。

これで旅行の予定は終了。あとはどこかで何かを食べて帰るだけ。せっかくなので駒ヶ根名物のソースかつ丼を食べようと思い,観光地図にあった店に。その途中でガソリンを入れた。

店に着いたのは午後5時15分くらいだったろうか。やや早かったからか客は一人もいなかった。ソースかつ丼と,店長のお薦めの十割そばを注文。女房がおもにそば,私がおもにかつ丼を食べた。

店から駒ヶ根ICまではすぐ。午後5時50分くらいに中央自動車道に入った。途中,激しい雨が一瞬あったが,混雑はなくスムーズ。屏風山PAで1回休憩をした。名古屋ICで一般道に降りて,家に着いたのは8時15分頃。思ったより早かった。トラブルもなく無事に帰宅。新車も快適だった。

すぐに風呂に入って,写真をパソコンに転送。全部で880カットだった。カメラの手入れをしてケースに保管し,旅行費用をExcelで整理してから床についた。