賢くはたらく超分子

最も基本的な超分子であるクラウンエーテルシクロデキストリンですら知らなかった。そのため,すべてが新鮮で興味深い内容だ。
ナノテクノロジーというといつもカーボンナノチューブの話になる。しかしそれはこの本の最後に登場する。そこにいたるまでに,上記のクラウンエーテルシクロデキストリン,そしてそれらから発展させ,組み立てられたカテナン,ロタクサンなど。さらに単位膜へと展開する。DNAを使って,非常に小さなカプセルをつくることなど,ナノテクノロジーの広がりを感じさせる。
幅広い内容をやさしく紹介している本書は,ナノテクノロジーについて知りたい人がまず読むのに適している。ただ,それぞれの内容は浅いので,さらに知りたい場合は,それぞれについて書かれたものを読む必要がある。