ポケットティッシュはもらうもの?

出勤時に,地下鉄の入り口で,大手消費者金融がポケットティッシュを配っている。最初は受け取る気もなかった。渡し方のうまい人と下手な人とを見ながら,仕事の成果に個人差があるだろうことが推察できか。それなりに指導すればいいのにとも思った。この件はまた別の機会に。

あるとき,女房と買い物に行き,ポケットティッシュを買うことになった。あちこちで配っているものなので,ほんとうは買いたくない。でも,もう使い切ってしまったかららしい。そんなもの,毎朝配っていると言ったら,なぜもらって来てくれないのかと。

そこでわたしのティッシュ集めがはじまった。地下鉄の入り口で配っているので,その気になればすぐにたまってくる。1週間に2,3個はゲット。すぐにわが家の備蓄は増えていく。ただ,もらおうと思ってその前を通っても,タイミングが悪いと受け取れない。

さあ次は自分の番と手を出そうとした瞬間に,相手は振り返ってかがみ込み,箱からティッシュを取り出しはじめる。前には人がいないため,彼女の手のティッシュはわたしのものと思って進んでいくと,横からおばさんがやってきて,わたしのティッシュを横取りするばかりか,わたしはもらうタイミングを逸して,階段を降りていく羽目になることも。

このような努力を重ねながら,わが家のポケットティッシュは数を増やし,いまやケースにいっぱいに。はたして,ポケットティッシュは買うものではなく,もらうものだということを実感し,夫婦で喜んでいる。こんなふうだから,横取りしたおばさんに文句も言えまい。