連立方程式の解法を知ったとき

からだが弱かったこともあり,学校をよく休んだ。それほどの病気でなくても,大事をとって休むのがふつうだったので,何となく気が進まない程度で休むこともあった。

休んだ日の楽しみは,NHK教育テレビを見ることだ。「できるかな」とか「はたらくおじさん」をよく見た記憶がある。小学校の理科などの番組も好きだった。

中学1年のときだったと思う。学校を休んで,NHK教育テレビを見ていた。ずっと同じチャンネルでテレビをつけたままにしていたら,中学の数学の番組がはじまった。そこで,まだ習っていない連立方程式の解法を知った。

代入法の説明を聞いたとき,驚きを感じた。何でいままで気づかなかったんだろうかと。考え方はかなり単純なことだ。2つの式を変形して,未知数を一つ消去すればよい。一方の式を他方の式に代入すれば,それが実現できるのだ。

もともと数学は好きだった。このようの体験は何度もしている。でも,このときの驚きは,いまでもはっきりと覚えている。