ナメクジウオ

ちょっと話題のナメクジウオ。まずは写真から。

動画は5月18日に。

ナメクジウオは原索動物。一生のうち,少なくともある時期に脊索をもつ動物のなかま。ホヤの幼生は,オタマジャクシのような形をしている。このとき脊索をもつので,ホヤも原索動物である。
脊椎をもつわれわれ脊椎動物も,からだができる過程(発生の途中)で脊索ができる。からだが完成する前に消滅はするが,発生過程に脊索をつくることから,脊椎動物は原索動物のなかまから進化したと考えられている。そして,ホヤの方がより原始的だと思われていたため,ホヤのなかまが進化して,ナメクジウオの祖先や脊椎動物の祖先が生まれたと考えられていた。
しかし,ゲノム解析が進み,遺伝子レベルでの比較を進めていったら,これが逆であることがわかったという。それが,先日,日本とイギリスの研究チームの発表らしい。

遺伝子であるDNAは,塩基と糖とリン酸のセットが数珠つながりになった構造をもつ。塩基にはATGCの4種類があり,これが文字のようになって遺伝情報を刻む。この全配列を決めるのがゲノム解析
DNAは,複製を繰り返している間にミスが起こり,この塩基配列が一定の割合で変わっていく。塩基配列が変わっても,遺伝子としてはほとんど影響がでないものもある。このような塩基配列を2つの種で比較すると,進化の過程でそれらがいつごろ枝分かれたかが推定できる。このような研究で,進化の過程や種の系統が見直されているようだ。