金沢への日帰り旅行

今日は金沢まで,女房と二人で出かけた。日帰り旅行だが,この連休のメイン行事だ。
朝7時前に家を出て,7時半ごろには名古屋駅に着いた。すぐにJRの改札を通り,7:50発のしらさぎ1号を待つ。列車は,ホームライナーとして4番ホームに入ってきた。これが折り返ししらさぎ1号になる。



3号車に席をとってある。名古屋からは少し空席があったが,しばらく走ると,かなりの席がうまってきた。3号車は車いす用の席があり,そこは空いていた。また,車両の最前列,最後列の座席にはコンセントがある。いつか仕事で乗るときは,この席をおさえたい。
去年の夏の旅行では,長い車中,家族は皆眠っていたが,わたしだけは,パソコンを使ったり,本を読んだりと充実していた。今回も片道約3時間あるので,いろいろやれそう。本を読もうか,買ったばかりのミニノートPCをいじろうか。そんなふうに考えて,本やパソコンをもってきたが,結局はしっかりと眠ってしまった。女房も「30分で金沢に着いた」という発言の通り,よく眠っていた。
それでも寝過ごさず金沢で下車。観光案内で観光地図をもらい,バスで兼六園下まで。そこから歩いて,まずは石川門へ。


ここを通って,金沢城公園に入る。いま工事をしているようで,その横で発掘調査も行われていた。

以下は,金沢城公園の中の風景。













そろそろお昼。昼食は兼六園近くで予約がしてある。さくら亭という店。

個室が用意されていた。わたしたちにとっては贅沢な昼食。5500円のコースだ。今日は天気がよくかなり暑い。ビールを飲みたいところだが,せっかく北陸まで来たので,こちらの地酒を飲むことに。昼間から飲み過ぎてはいけないので,グラスで1杯ずつたのむ。
まずは前菜。

ホオズキのように見えるが中はトマトのよう。最初は,ホオズキの中にミニトマトが入っていると思っていたら,しっかりくっついている。

珍しく思い,お店の人に聞いてみたら,料亭で使われる食材らしい。外食をほとんどしない。ましてや料亭など縁がないので,知らなかった。
そんなわれわれに,上品な小さなグラスの酒は似合わない。すぐに飲み干してしまった。これからいろいろな料理を楽しむためにも酒がいる。そんな理由をつけて,とっくりで酒をたのんだ。

次は造り。

それほど上等というわけでもないが,酒とともに食べる刺身は最高だ。このあと吸い物が出たが撮影をし忘れた。徐々に酔いが回ってきたようだ。また,このタイミングで吸い物というのも不思議だった。ふつうはそういうものなのか。
続いて焼き物。ソフトな焼き加減。鮭もこうやって焼けば高級っぽい。

次は煮物。この地方の名物らしい「じぶ煮」。カモらしい肉。せっかく来たので食べてみたいと思っていた。でも,それほど好みではないので,また食べたいとは思わなかった。

天ぷらは食べ終わってから撮影し忘れたのに気づいた。皿だけ。山菜の天ぷらと紹介されたが,レンコンのはさみ揚げやワカサギも入っていた。やや油っぽい印象。もう少しすっきり揚げて欲しかった。

酢の物。そこそこ満足してきた。酒もまわっていい気分。

そして食事。ショウガとごま,じゃこのかかったご飯と味噌汁。これも撮影し忘れた。わたしは満腹で,ご飯を少し残した。ご飯好きの女房は,しっかり平らげたよう。
そしてデザートのババロア。和食にデザート,しかもババロアというのも,考えてみればヘンだが,嫌いでないのでまあよい。

およそ15000円の昼食。ウェブで手に入れた1000円引きクーポン券を,しっかり持参してきた。酒も入り,満足して店を出る。


金沢21世紀美術館へ行こうと歩き始めたが,蓮池門まできて,兼六園に入ることにした。兼六園での風景。

















こんな説明があった。ほんとうに松ヤニが燃料になったのだろうか。




赤いつぼみから花が咲き,開いていくと徐々に白い花になるようだ。おもしろい。



この石は,立ち入り禁止の意味らしい。




兼六園で女房が上着を落としたことに気づいた。バックにはさんで持っていたものをどこかで落としてきてしまった。そういえば,上着が落ちているという声が聞こえて,振り向いたら茶色のものが落ちていた。まさか女房のとは気づかず,そのまま先を行く女房を追いかけた。そう,わたしは女房が何を来ていたのか記憶していなかった。
また,この事件が起きたのが,金沢城公園なのか,食後の兼六園でのことなのか,思い出せない。女房も食事の前後で,上着があったかどうか思い出せない。これでは探しようがないが,とりあえず,兼六園の来た道を,もう一度たどってみた。でも見つからない。
公園事務所に電話したら,届けがあれば折り返し連絡をくれると。携帯電話の番号を伝えて,兼六園をあとにする。名古屋に戻ってから連絡があれば,着払いででも送ってもらおう。

兼六園の真弓坂口を出てすぐの交差点から見えた金沢城公園の石垣。

この交差点の南西に金沢21世紀美術館がある。


ロン・ミュエック展をやっている。特にこれが見たいというわけではなく,話題になっていた美術館だからという理由でやってきた。金沢に来た目的は実はこの美術館。
まずはフリースペースを見学。「金沢をプリコラージュする」という写真展は非常におもしろかった。小さな写真プリントを,何枚も貼り合わせて,風景を再現する。ところどころゆがんだり,濃度が色目が変わっているが,それもかえっておもしろさになる。また,写真を切り貼りしてつくったペーパークラフト。町並みや家が再現されている。なかなかおもしろい手法だ。
そこで電話が入る。女房の上着が見つかった。とりあえず,フリースペースだけを見てから,兼六園の桂坂口まで取りに行くことに。
フリースペースのもう1つはわたしの理解を超えていた。インダストリアルデザインの川崎和男の作品。はじめは若手の作家だと思っていたが,以前から知っている人であることに気づいた。MacPowerという雑誌に連載していた記事がおもしろかった。文章でしか接していなかったので,あの人がこのような作品をつくるんだと,いまさらながらに知った。
なお,MacPowerという雑誌は,ASCIIが出していたMac関連の雑誌。しばらく前に,Macとはかけ離れた雑誌になり,その後休刊になった。 ASCIIは元気がない。角川グループに入ったが,これからどうなることか。ASCIIの思い出などは,またいつか書いてみたい。

プールの下に入ることができる。上からのぞくと,プールの底に人がいるように見える。これを見たくてここまできた。上から見るのはフリースペースにある。写真撮影もできたので記録する。

プールの底に行くには,ロン・ミュエック展に入らなくてはならない。その前に,兼六園の桂坂口まで落とした上着を取りに行く。
先と逆方向に歩く。同じ場所でも,まったく逆から見ると違ったところのように感じることがある。そんな屁理屈をつけて坂をのぼる。

無事に上着が戻ってきた。女房は書類にサイン。あれっ,それは違うぞ。遺失物ががま口になっている。わたしが指摘して,書類を取り替え一件落着。おっちょこちょいなのは女房だけではないようだ。

美術館に戻り,プールの底に入る。当たり前のことなのだが,大したことはなかった。この作品のすばらしいのは,プールの上から見たときに,水の底に人がいるように見えることだろう。そのように調整をとるのが大変だったのではないか。底に入ってワイワイやっているわたしたちは,作品の素材に過ぎない。
あまり気が進まなかったロン・ミュエック展は,なかなかよかった。よくここまでリアルに再現ができているものだと感心する。こちらの方がお薦めかもしれない。
このようにこの美術館を見て,工芸の街だから,このような展示なのかと思った。作品が工作っぽい。この美術館のことをあまり調べもせずにやってきて,勝手な感想を言っているだけだが,そんなふうに感じた。

美術館をあとにして,長町まで歩いて行き,武家屋敷の町並みを見る。抹茶パフェを食べようと,ガイドブックにあった店まで行くと,すでに飲食は終了とある。暑い中を歩き疲れていたので,甘いもの,冷たいものを食べたかった。別の店でアイスクリームを食べる。

くずきりが添えてある。杏仁豆腐とくずきりのセットをたのんだ女房が,くずきりが付いてくるならアイスクリームがよかったと。女房がたのんだセット。

武家屋敷の風景は次の通り。




水飴で有名な俵屋。わたしは知らなかったが,女房はここで土産を買う。

せっかくなので,公開している武家屋敷跡「野村家」に入る。

入り口ではじめて一人500円であることがわかる。料金がかかるのは覚悟していたが,外に書いてないのはちょっと不親切。でも,中が撮影自由なのは太っ腹。中のようすは次の通り。



そろそろ駅に戻らないと,土産を買ったり,弁当を買う時間に余裕がなくなる。通りに出てバスに乗り,金沢駅に戻る。
朝はよくわからなかった金沢駅のようす。これが正面のようだ。何だかバブリーなつくり。


女房は土産物を見ている間,疲れ果てたわたしはいすに座ってうたた寝をする。30分ほど休むことができた。土産に笹寿司も買う。わたしはこの手のものはあまり好きではないが,最近は名物を言われると食べてみたくなる。子どもたちにも食べさせてやろう。
最後に,弁当とビールを買ってホームへ。そう言えば,まだ撮影していなかった。

定刻に列車がやってきた。自由席には列ができていたが,指定席には空きが目立った。席について弁当を開ける。

ビールで乾杯をして,この弁当を平らげる。それから,持ってきたコンピュータを起動するがそのまま眠ってしまった。落とすといけないので,シャットダウンして眠ることに。
途中,米原で列車の進行方向が逆になるためシートを回転させる。これは行きも同じだった。その後,名古屋まで,途中の駅に止まったことすら気づかなかった。名古屋に着くというアナウンスで目が覚めた。熟睡していた女房を起こし名古屋駅に着く。
これで今回の金沢日帰り旅行は終わり。日帰りであったが,おいしいものを食べたり,しっかり歩いたり,美術館に行ったりと,けっこう楽しめた。またこのような日帰り旅行を考えてみたい。