基礎生物学研究所一般公開

 基礎生物学研究所の一般公開へ行った。まずは,岡崎統合バイオサイエンスセンター(山手地区)へ。名鉄東岡崎駅からバスで5分,徒歩5分くらいで到着。立派な建物だ。

 体験実験「ゲノムを見てみよう!」にも参加。ショウジョウバエ約100匹をすりつぶし,そこに塩やタンパク質分解酵素などを加え,遠心分離器で不溶物を分離。上澄みにエタノールを加えてDNAをとり出す。さすがはプロが紹介する実験。小さな容器にマイクロピペットで試薬を入れていく。試薬の量もさまざまなので,サイズの異なった3種類のマイクロピペットを使った。親子連れが多く,どちらかというとマイクロピペットの使い方指導のような雰囲気。ちょっと残念。
 その後,山手地区の展示を見て回る。グリア細胞は,神経細胞に栄養を補給するなどのサポートをするものと思っていた。しかし,神経細胞の再生など,脳の可塑性に関わっていたり,ナトリウムの濃度調整にも関係しているようだ。生物のはたらきは,調べれば調べるほどいろいろと新しいことがわかってくるようだ。
 休憩室でもってきた昼食をとり,午後からの講演会場である岡崎コンファレンスセンターへ。途中の空き地にセイタカアワダチソウ。もうこんな季節だ。

 講演中に眠ってしまった。別につまらないわけではない。毎日帰宅が遅く疲れているのと,久しぶりに歩き回って疲れていた。快適ないすに座り,プロジェクタのために暗くなった部屋。ついつい眠ってしまう。
 休息ができたので,明大寺地区へ移動して,そちらの展示を見て回る。細胞小器官のはたらきも,いままで学習してきた以上に新しいことがわかっているようだ。やはり生き物は単純には語れない。だから生命科学は好きになれなかった。でも,いまは少し違ってきている。さまざまな手法で分析して,その複雑なしくみがわかってきているところがよい。生物の複雑さを前提とし,複雑であるべきだと言わんばかりに,それを楽しむのは,いまでも好きになれない。
 葉の形を決める遺伝子には,以前から興味がある。講演も1つはその話。講演者である塚谷裕一先生は,わたしを生物好きにした本の1つである「植物の〈見かけ〉はどう決まるか」の著者。その塚谷研究室の展示も見学。3年前,同じ展示室で,塚谷先生ご自身に説明していただき,感動した思いがある。
 講演でぜひ質問したかったことがあった。でも,眠っていたときに,もしその点について触れられているといけないと思い,質問できなかった。この展示室で説明をしてくれた研究者に聞いてみたら,いままさに研究しているところと。近い将来,何らかの成果がありそうだ。
 また,コダカラベンケイソウをもらった。うまく育つとよいのだが。