各紙の科学欄を読もう

 よい科学雑誌がない。「ニュートン」は,視覚に訴える力を持つが,解説がいまいち。きちんと理解させる内容になっていない。「日経サイエンス」が毎月読めたらよいのだが,内容が高度で,なかなか読めるものではない。「科学」はさらに敷居が高い。
 いま思えば,「科学朝日」は手頃だったかもしれない。お金をかけて「サイアス」にするより,低コストに徹して「科学朝日」を継続できなかったのかと悔やまれる。
 このように不平ばかりだったが,気づいてみたら,新聞の科学欄すらすべてを読んでいるわけではない。朝日新聞は,水曜の朝刊に1/2ページ,土曜の夕刊は2ページの科学欄がある。ざっとながめて,興味深いものを読む程度。いまある科学雑誌の悪口を言い,読むことのできなくなった雑誌をのぞんでいるより,各紙の科学欄をしっかり見て,読み込む方が大切なのではないか。
 新年度がスタートした。何かをはじめるにはよいタイミングだ。これを機会にチャレンジしてみよう。購読していない他紙については,Webや図書館などで調べてみよう。

 ところで,イラクで誘拐された人たちが解放された。無事でほんとうによかった。批判する人もいるが,わたしは彼らのような日本人がいることを誇りに思う。危険を顧みない行動力と,広く人を愛する心には,ただただ敬服する。同じ日本人が,そのような活躍をして,海外で認められることを,心底誇りに思う。
 退去勧告が出ているところに行って誘拐され,その解放に多くの人が奔走した。国が動くわけだから,税金も使っている。批判する人がいることはやむを得ないし,彼らはそれについては真摯に受け止めるべきだろう。人によって,いろいろな考えがあり,そのように考える人がいることもわからないでもない。
 ただ,政府関係者が批判するのはどうかと思う。彼らの行動は,結果的には不運なことになったが,彼らのような勇気ある人たちの行動によって,海外の人たちが救われていることもあるのではないか。ほんとうは知ることのできない貴重な事実を,日本に伝えているのではないか。彼らの行動をプラスに運ぶのが,政府のつとめではないかとわたしは思う。
 むずかしいことだから政府にまかせろ,一般の人たちは関わらせないという発想からは,政府が国民を治めているという考えが見え隠れする。国民があって政府がある。その国民にはいろいろな考え方の人がいる。それらをうまくまとめ上げるのが政治家の手腕でもある。すべての国民の生命と財産を,最後まで守るようにつとめるのが政府であり,政治家や公務員なのではないか。
 この独り言は,できるだけノンポリでいきたいが,今回の件は黙ってはいられなかった。