かつては若い者

 最近の若い者は…。このところよく口にしてしまう。
 最近の若い者は,ものごとのあまり考えない。右にあるものを左に移しているだけで,移しているものを見ようとしない。たとえば,英語では考えられない綴りの人名があった。「どこの人だろうか?」とわたしが言うと,「どこかの人でしょ」と無関心。もしかすると,綴りが違っているかもしれない。「どこの人だろうか?」と思い,ちょっと調べてみることから,確かめられるだけでなく,予想外のことが発見でき,そこからもっと広がることもある。
 そのように意識しているわけではないが,このようにいつも行動することで,視野が広くなっていくと思う。若い人を見ていると,そのような点が不足しているように感じる。
 きょう,兄弟三人で久しぶりに昼食をとりながら話をした。最近の若い者はということばがつい口に出る。妹が「わたしたちも若い頃はそうだったのでは?」と言い出した。
 確かにそうかもしれない。過去の自分をいま見たら,どう感じるのだろうか。自分の過去を忘れ,いまの若者を批判しているだけかも。これはよく考えなくてはならない。